日光の夜景

421 :本当にあった怖い名無し:2013/03/04(月) 13:39:48.43 ID:jOZ38aw8P
 
栃木日光マタギと呼ばれる猟師は、仙北マタギなどと違い比較的大きな集団ではなく、猟師仲間と少数名で狩りをする。
毛皮の需要などと、銃による狩りの普及と共に、山で怪事に遭遇したときの話が様々ある。 

その中で、鹿撃ちの際に鹿をおびき寄せる鹿笛というものを使うが、
笛の弁に蟇(ヒキガエル)の皮を使わないようにした、という禁忌がある。


421 :本当にあった怖い名無し:2013/03/04(月) 13:39:48.43 ID:jOZ38aw8P

鹿笛という物は、発情期の雌鹿の声を真似た音を出すものだが、笛の弁に蟇の皮を使うとベストな音を出せる。
しかしなぜか蟇を使った鹿笛の時に限り、大蛇が現れるという恐ろしい事が度々起きたそうだ。 
もし大蛇を撃つ場合、必ず背後から撃たねばならない。 
大蛇は鱗が堅く、鋳掛けた鉛弾では通らぬ事があり、背後から鱗の間隙を狙って撃たねばならない。 
これをコケラ撃ちといい、コケラ落としからの意味がある。 


421 :本当にあった怖い名無し:2013/03/04(月) 13:39:48.43 ID:jOZ38aw8P

大蛇を撃ったら必ずそれをぶつ切りなどにして、肉の一部を少しでも食わなければならなかった。
老猟師たちは「喰え、ちっとでも喰うもんだ」と言い、若い猟師たちに大蛇を鍋で煮させた。 
こうしないと大蛇は必ず祟ると言われた。
大蛇は鍋で煮ても悪臭のある虹色の脂がドロドロ浮いて、とても人が食えるような代物ではなかったという。 
それでも最終的には生姜を擦って鍋に入れたり、工夫して昔の若い猟師たちは口に入れたそうだ。 

昭和初期の頃だという。