鬼の姿

238 :1/2:2011/04/22(金) 13:52:44.56 ID:bE5QqE690
 
祖母ちゃんが子供だったときの体験談を教えてくれた。 

夏休みに田舎に行って遊んでいたら、親におつかいを言いつけられた。 
てくてく歩いて河原に出たら、子供がしゃがんで石を手に遊んでいるのを見かけた。 
近づいてみたら、鬼の子だった。 
頭のてっぺんが禿げているように見えたのが、肉が盛り上がって角になっていたそうだ。 
しかし怖さよりも、格好のみすぼらしさに、かわいそうだって思いがわいた。 
着ている物が襤褸なんてものじゃなく、ムシロを体に巻き付けているようで、
腕も足も垢まみれなんだか、火傷のような赤汚い色なんだそうだ。 


238 :1/2:2011/04/22(金) 13:52:44.56 ID:bE5QqE690

そして、祖母ちゃんが近づいて来たのに気がついたようなんだけど、
意地でも見てやるもんか、という感じで顔を上げず、石を積み上げたり崩したり一人で遊んでいた。 
祖母ちゃんも声をかけようか迷ったんだけど、
従兄の「道で猫の死体を見ても、可哀想だなんて思っちゃダメだぞ。ついてきちゃうぞ」という言葉を思い出し、
その場所を立ち去ったんだと。




239 :2/2:2011/04/22(金) 13:53:21.53 ID:bE5QqE690

 
日にちが経っても忘れられず、お寺のお坊さんにそのことを相談したら、
「そうだよなぁ、ついてこられたら困るよなぁ。
 しかしな、仏様なら大丈夫だ。
 子鬼だろうが大鬼だろうが、人に悪さをせず、仏様について行ったら極楽に行ける。 
 人間なら猫の霊でも鬼でも大変だけど、仏様ならどれだけ来ても、ちゃーんと助けてくれる。 
 その鬼の子が極楽に行けるよう、お祈りしてあげような」 
と言ってくれ、五分くらいご祈祷してくれた。
そしてお守りをくれて、 
「こんどまた鬼や霊を見ることがあったら、このお守りを見せて、この仏様のところに行け!って言いなさい。
 ちゃんと大声で、はっきりとした声で言うんだ。
 そうしたら大丈夫。その鬼もつらい思いから助かるよ」

しかしそれから、そのお守りとかけ声を使うようなことには遭わなかったそうだ。