出会い

5 :本当にあった怖い名無し:2014/03/02(日) 13:40:56.66 ID:ouT0d3K70
 
目的もなく雑貨店をウロウロしていたら、レジで支払いをしている客の顔にふと目がとまった。 
あれ、この人知ってるぞ、誰だっけ?
そうだ先月紹介してもらった、Tの知り合いのえーと…Nさんだ。 
友人の知人、特に親しい仲に発展していた訳ではなかったが、あちらも連れは居ない様子。
暇だし何となく声をかけてみた。 
「Nさんだよね。覚えてる?」 
「あ、この前会った…Tの友達のKちゃん?だっけ?」 
「そうそうKだよ、こんなところで偶然。ごめん引きとめて」 

数日後。
小腹がすいた折、コンビニに行くと、Nが惣菜パンを物色していた。 
声をかける前に、あちらも気付いてくれた。 
「ハハ、なんか縁が出来たんかなw」

またある日、帰宅前に立ち寄った弁当屋でカレーを注文し、完成するのを待っていたら、Nが入ってきた。 
「!?w いようN!」
「おおおw」
「Kなに頼んだ?」と聞かれて「カレー!」。
「じゃ俺は特のりタル!」とN。
「そこは運命感じるゥ~とか言って一緒のカレーにすべきだろ! 


6 :本当にあった怖い名無し:2014/03/02(日) 13:42:16.80 ID:ouT0d3K70
 
あるときは早朝のレンタルチェーン店で。 
「おはようw」「うわっ!びっくりした!」 
あるときは、道路を挟んで信号待ちをしているNと視線が交差。 
「あれっ」「よく会うなw」 
さらに数時間後、約10km離れた駅前の百貨店の中で。 
「ちょK、またお前かっ!」
「おうワシじゃ、出迎えご苦労!w」 

度重なる偶然に、失礼な発言もかわせる程度には打ち解けていた。 
「誓って言うけど、Nをストーキングしてる訳じゃないよ…?」 
「分かっとる、お互い逆方向から歩いてきたしw」 
じゃあね、と言葉をかわして手を振って別れたが、数十分後にエレベーターの上りと下りですれ違った。 

その夏の終わり、 
数十万人規模の群衆がwktkしている花火大会の雑踏の中、ビールとジャンボ焼き鳥を両手に楽しんでいるNに出会った。
「お、来てたんだー」 
「芝生広場から花火見ようと思って移動してきたとこ」 
「なんか会っちゃうのは何でだぜ?」 
「んー、お互い顔が濃味だから見つけちゃうのかね?」 
いやいやいや、おかしいだろ。 
ほんの2か月かそこらで、こんなに何度も特定の人物とバッタリ会うかな。 
行きつけの店でなら分かるが、出会った場所はばらばら。 
もしかして、冗談じゃなくNにストーカーされている? 
だが、それはおそらくNにメリットが無い。 



7 :本当にあった怖い名無し:2014/03/02(日) 13:45:02.78 ID:ouT0d3K70
 
その日はタクシーを拾おうとして、幹線道路沿いに立っていた。 
近づいてくるタクシーに挙手して合図を出し、ああ乗車中だったと気付いてガッカリ、腕をおろした。 
しかし、数メートル手前で降車のためその車が停まった。 
よっしゃ、と歩み寄りながら「あ、もしかして…」。
降車してきた客は、もう当然のように、やっぱりNだった。 
さすがに怖くなった。
車を降りたNもこちらに気付き、目を見開いて驚いた顔をし、けれど言葉は交わさずに苦笑いしながら去って行った。

それでNとはそれきりになった。もう十年以上も前の話。 
共通の友人Tとも疎遠になり、その後のNのことは分からない。 
すごい勢いで偶然でくわしたが、友人の知人以上の発展はなかった。 
N自身にも特に思い入れはなかった。 
Nは元気でやっとるかなと懐かしんでいる今このとき、
あちらも同じことを思っているかも知れないし、そうではないかも知れない。