魔の42番カーブ

519 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/16(金) 22:42:03.71 ID:oChV7Bbp0.net
 
そこそこ険しい山を越えるとある県道Aの話。

初めてそこを通ったのは10年以上も前・・・俺は免許を取ってすぐの下手糞で、おまけに夜だった。 
そんな状況だったもんで若干ビビリ入ってて、それを紛らわすためにカーブごとに振ってある番号を数えながら走ってたんだ。
峠道を登りながら何の気なしに10と20と数えてたんだけど、頂上に達して下りはじめた頃妙な事に気づいてしまった。 


519 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/16(金) 22:42:03.71 ID:oChV7Bbp0.net

41番カーブを最後に、その先のカーブからは番号が振られていない! 
次のカーブに振られているのは『42』という縁起の悪い数字のはず。 
カーブを抜けるたびに「まだ来ない・・・」「次こそ42かな・・・」なんて変に意識してしまっていた。 
あまりにも『42番カーブ』が現れないものだから、
「うわあ~これはちょっと何かあるんじゃないか?勘弁してよ」なんて一人ごちたような気がする。 
「怪談とかでよくある『普通じゃない場所』に紛れ込んじゃったのか?」とかね。 

その後しばらくの間、種類もわからない野生動物なんかが横切ったり、(今なら判る、あれはカモシカだ)
あからさまに事故跡のぐんにゃり大きく歪んだガードレールを見たりでビビリ度はうなぎのぼり。 
しまいには「実はもう自分は42番カーブで事故ってるんじゃないか!?」なんて。 
・・・と、そんな緊張も呆気なく途切れた 
「43」 
おお、番号振ってあるじゃん。少なくともそこから先は普通の道だ。
しかし緊張がほぐれた時こそ危ないってセオリーは心得てるので、一層引き締めて峠道を下っていき、
結果的に何事も無く帰宅する事が出来たが・・・ 
結局のところ42番カーブは何処だったのだろうか。 




520 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/05/16(金) 22:43:35.15 ID:oChV7Bbp0.net

 
数ヶ月が過ぎ若葉マークも外れた頃、どういう経緯かまたも県道Aを通る事になった。 
過去の件から遠回りも考えたのだが、
今回は幸いにも昼間のうちに通れそうだったし、自分なりにあの時の妙な気分を払拭したい気持ちもありルート変更は無し。

10、20、30・・・数ヶ月前と同じようにカーブを数えながら、夜中とはまた違った雰囲気の峠道をゆく。 
39、40、41・・・数ヶ月前と同じようにカーブの番号は途切れた。 
カモシカが横切った地点を過ぎ、歪んだガードレールの地点に差し掛かったところで車を停める。 
カーブミラーに隠れるように『それ』は立っていたのだ。 
41番側から下っていく目線だとカーブミラーで完全に隠れてしまい昼間でも確認は困難だ。 
『42』
「あ~コレは夜中じゃ気づかんわな」なんて納得し、続いて歪んだガードレールに注意を向ける。 
普通の車じゃ向こう側に落ちていてもおかしくないほどの歪み、その向こう側を覗くと・・・
岩がむき出しでかなりの落差がある崖。
ガードレールを歪ませた車はここから落ちてしまったのだろうか?だとしたら乗員は・・・ 

42番カーブの発見で過去のモヤモヤは解消された。
しかし縁起の悪い数字が与えられたカーブで実際に事故が起きていたという事実に戦慄を覚え、俺はその場を後にした。

締めくくり。 
先月クワガタ採集のポイント探索のために三度訪れた県道Aで確信した。 
俺の住んでる県は3,11の後に多くの峠道が補修されたそうで、県道Aもそのうちの一つだった。 
42番カーブのガードレールは確かに真新しく眩しいくらいの白だったが・・・・・・既に大きく歪んでいた。 
この場所には、何かがある。