急峻な山地に家が点在するある地域の話なのだが、
ある日、その地域に住む老人が山の仕事に行くと、
何時もの山道の傍らに、昔の人のような丁髷で裃を着た男が立っていた。
834 :本当にあった怖い名無し:2014/03/01(土) 20:21:20.36 ID:Xf/u2ZErP
男曰わく、「あなたは78の今日まで生きる」。
変な事を言う人だなと、横を過ぎて振り返るともう居なかった。
それから老人は口癖のように「儂は78になったら死ぬからな」と家族に言うようになった。
834 :本当にあった怖い名無し:2014/03/01(土) 20:21:20.36 ID:Xf/u2ZErP
老人が78になったその日の朝、「愈々今日だなあ」と言う。
炉端で皆で「また言ってる」と思っていたら、
その日の昼に、縁側で豆を剥いていたと思ったら、座ったまま往生していた。
明確に日付を指定されたことで、無意識にその日を自身の命日にしてしまった可能性も捨てきれない