山の不思議な話

778 :オマージュ:04/07/18 22:18 ID:q+VlFn8Q

先輩の話 

山で大雨に降られた。たまらず廃小屋に避難する。 
寝袋にくるまり、その日は早々と寝る事にした。 

次の日、雨音で目が覚めた。 
やれやれ、今日も足止めか。ため息をついて扉を開けた。 
雲ひとつない晴天だった。 
えぇ? 彼は頭の中が疑問符で一杯になったが、 
とりあえず、荷をまとめようと小屋に戻った。 
扉が閉まると共に、天井からどしゃぶりの雨音がひびいた。 
扉を開けると、音は止む。 
閉めると雨音がする。さらには雷が鳴り出した。 

まあ、小屋も寂しくて、俺にもう少しいて欲しかったのかもしれんね。 
彼は一宿の礼に、小屋の周り持っていた焼酎を少々撒いてきたそうだ。 


779 :オマージュ:04/07/18 22:22 ID:q+VlFn8Q

さらに先輩の話 

山でテントを張り、独り夕食を済ませた。 
ぼんやり、たき火をみていると、火の中で何か動いている。 
目をこらして見ていると、炎をまとった小人が踊っていた。 
驚きつつも、その軽快な踊りに見とれていると、 
最後にその小人はぺこりと彼にお辞儀をし、ぴょんと火の外に飛び出た。 
すたたたっ 
火のついた小人は一目散に薮に駆け出した。 
彼はびっくりした。山火事になっちまう! 
幸いにも、あと少しで逃亡成功、というところで小人は転び、 
あえなく水筒を持った彼に消火されたそうだ。 

可愛く見えても、山にでるやつらにゃ注意せにゃならんぜ?  
彼はにやりと笑った。
なんせ、人間じゃないからな、何しでかすかわからんよ。 



780 :オマージュ:04/07/18 22:27 ID:q+VlFn8Q

さらにさらに先輩の話 

彼が親戚引き連れて、富士登山の案内をしていた時のこと。 
山頂まで登り詰め、やれやれと彼が一息ついていると、甥っ子が麓を指差し叫んだ。 
「ねぇ! あれ何!?」 
見下ろす大地に見事に広がった雲海に、一ケ所だけ、不自然な切れ目ができていた。 
まるでそこに見えない巨大な柱があるかのようだった。 
さらにその切れ目は風の流れに逆らい、西へ西へと広がっていく。 
親戚一同に説明を求められた彼だが、今までこんな現象は見た事がない。 
知らないと言うのは簡単だが、それでは彼のプライドが許さない。 
目を白黒させながら、苦し紛れに彼は言ったそうだ。 
「だいだらぼっちが歩いてるんですよ」 
我ながら馬鹿げているとあきれたが、親戚一同、深くうなずいたそうだ。 

でも、言われりゃ俺でも信じるしかないような雲だったぜ? 
彼は頭をかいた。 
まあ、でもホントにそうだとすると、その下にある町は踏みつぶされちゃうだろって話になるんだけどな。