天狗

670 :元登山者:2007/04/30(月) 16:37:57 ID:GiPpx5540

友人から聞いた話です。 

彼の実家の近くに、天狗が住んでいると言われている山と神社があります。 
その山は今でも修験道とか山伏のような格好をした人が、修行をしにくる事がたまにあるそうです。


670 :元登山者:2007/04/30(月) 16:37:57 ID:GiPpx5540

年に一度、その神社では祭りがあり、
祭りの日には天狗が山の隠れ家から出てきて神社に泊まっていく、という言い伝えがあります。
毎年、彼は青年団として祭りを手伝っていて、その年も祭りの準備をしていました。 
そのお祭りは宵の口から始まって、終わるのは夜中という祭りなので、準備は昼過ぎから始まりました。 
その日は朝から曇り空で、下手をすれば雨になるかもという様な天気だったので、
彼は祭りの準備をしながら空ばかりみていました。 

休憩の時、空を見上げた拍子に山の頂上が目に入りました。 
その山の頂上は岩がむき出しで、人がいると見ただけで分かるそうです。 
その山頂に誰かが立っていて、空に向かい扇子のようなもので扇いでいました。 



671 :元登山者:2007/04/30(月) 17:03:43 ID:/Y/LE9tN0

近くにいた人に「あれ、何やってるんですかね?」と指差しても、
「あん?何もねえじゃねえか」と言われ、
「おかしいなあ」と思いつつも作業に戻りました。 

準備も終わり、解散になったとき山を見上げると、まだ誰かが空を扇いでいました。
「一体、何してるんだろ?」と気になった彼は、その人影をずっと見ていたそうです。
何本かタバコを吸って、いい加減飽きたなあと思い、帰ろうと回れ右をしたところ、
「これで大丈夫」と声が聞こえたような気がしました。
辺りを見回しても誰もおらず、山を見上げても人影もいません。 
とりあえず帰路につき、道々で空を見ると、雲が薄くなり少しばかり晴れ間が覗いていました。 
その年の祭りは天気もよく、盛況だったそうです。

祭りの最中、一服したくなった彼は本殿の裏に回り、一服していると、
「どうじゃ、凄いじゃろう?」と上から聞こえた気がしました。 
見上げると、赤い顔に長い鼻、山伏の装束のそのままの天狗が、本殿の屋根に座っていたそうです。 
彼が一瞬、瞬きをすると、既にいなくなっていたそうです。 

「やっぱり、天狗っているんだよ」 
そういって彼は話しながら興奮していました。