山の雨

646 :本当にあった怖い名無し:2005/11/21(月) 17:12:59 ID:3sZqfdqF0

爺様の話。 

山仕事中に大雨に降られ、カッパを羽織って作業を続けた爺様。 
フードに当たる猛烈な雨音しか聞こえない中、黙々と下生えを刈っていると、ふと音が消えた。 
不信に思って顔を上げると、相変わらず雨粒は勢いよく顔に当たるのに音が一切聞こえない。 
「こりゃあ耳がイカレたか?」と呟いたら、その自分の声はハッキリ聞こえたそうな。 


646 :本当にあった怖い名無し:2005/11/21(月) 17:12:59 ID:3sZqfdqF0

試しに持っていた鎌の刃を指で弾くと、キンッと小さな金属音が確かに聞こえる。 
それなのに雨音だけがまったく耳に響かない。 
奇妙に静まりかえった山の中で、爺様は心細くなり、震えながら「勘弁してくれ」と小さく呟くと、 
それに答えたのか、唐突にバチバチッ!とフードを叩く雨音が戻ったという。

「狐狸の類にからかわれたんだろうな」と当時を思いだして語る爺様であった。 



659 :本当にあった怖い名無し:2005/11/22(火) 17:04:35 ID:nPb4xYi80

爺様ばっかりではアレなんで他の話でも・・・。 

リア小時代の先生の話。 

先生が引率として行った山での宿泊研修で、夕食の時間にある問題が起こったという。 
班ごとに別れた生徒達が、バーベキューやカレーなどを自らが火をおこし、調理をして食べるという手筈になっていたのだが、
どの班も一様に「火が点かない」と口を揃えて先生に訴えてくる。 
火起こしに慣れたプロの指導員ですら、どんなに木を擦り合わせても煙も出ない有様だったという。 
天気は乾燥気味の晴れ、風もないのに、何故かまったく火が起きない。 
ライターやマッチなどの火は出るのだが、いざそれを薪や枯れ葉に燃え移らせても、みるみるうちに消えてしまう。 
これはどうしたことだ、先生達は頭を捻っていると、
指導員の一人が「あっ!!」と、何か思い出したように叫ぶと、やおら山に分け入っていった。 
何事かと見守ること数十分、体中に泥やら枯れ葉を付着させた指導員がフラフラになって戻ってきて、
「どうもスイマセン。山頂の神さんに火を起こす許可を貰い忘れてました」と曰ったという。 
その後、問題なく火は起こり、生徒達はようやく食事にありつくことができたという。