暗いドア

231 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2000/10/09(月) 03:31

子どもの頃の話。 

子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。 
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。 
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。 


231 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2000/10/09(月) 03:31

「おかあさ~ん」
と呼ぶと、2階からか小さな声で

「はあ~い」
と応える声がする。もういっかい呼ぶとまた

「はあ~い」 

自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。 
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から

「はあ~い」
と声がする。 

奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと近づいていく。 
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて帰ってきた。

「しゅんすけ、帰ってる~?」




231 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2000/10/09(月) 03:31

明るい声で僕を呼んでいる。 
僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。 
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。 
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。 
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。 
こっちを見ている白い人間の顔だった。