青い炎

814:2011/12/01(木)22:09:20.29ID:0WlKmnri0

洒落怖

1971年、岩手県は雫石(しずくいし)町で起こった旅客機と自衛隊演習機との空中衝突事故。かの『慰霊の森』はこの事故の犠牲者を弔うためのものである。


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旅客機の機体は空中で衝突を食らったため、中にいた旅客162名を空中にまき散らしながら四散(しさん)し、その全員が死亡したとのことである。

そのため、事故当日は雫石の全域に「生きた人間」が降り注ぐという前代未聞の惨劇が起こり、その多くが極めて凄惨な状態で発見されたという。



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で、本題。この間、私の姉が盛岡で飲んでいると、近くの席でやんややんやと盛り上がっていた若い男達がいた。
その内の一人、話を聞くに雫石町みんであるという若い男が、件の雫石飛行機事故のことを語りだしたのだという。

「いやね、あの日のことは母からよく聞いてるんですけれど、あの日は本当にひどかったんだそうです。
人間の体ってね、マッチに使われるのと同じリンを含んでるから、体が燃えるとその炎は青色になるんだそうです。
事故が起こったとき、物凄い爆音が聞こえて、雫石の人たちが空を見上げると、空中を何かがキラキラ青く光りながら落ちてくる。
それがあんまりにもキレイなもんだから、みんな『まさか天使じゃないか』みたいなことを言いながら、その光が落ちた方向に野次馬根性で行ったそうなんです。
そして、結果的に多くの人間が墜落死した人間の遺体を見た。もうトラウマですよね。事故の爆音は遠く花巻でも聞こえたそうですよ。
遺体が多く降り注いだ安庭小学校も、その事件を期に立て替えられて今は別の場所に立ってんですよね」

耳をそばだててた姉だけでなく、その男と一緒に飲んでいた男たちですら、シーンと静まり返ったのが印象的だったという。


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「でも、雫石の人間はたぶん、あの事故のことも、慰霊の森のことも、思ったより気にしてませんよ。。
慰霊の森の幽霊騒ぎなんてのは、俺らからしたら眉唾です。あの光景より恐ろしいもんなんかないって、お母さんが言ってましたし」

若い男はそう語り終えた。