雨の時空

817:15/06/26 00:33:25.11ID:H9sW3QE20

高校生だった頃。半日分の記憶と言うか経験が、家族と食い違ってたことがある。
当時は電車通学で、最寄り駅までは雨の日でも傘をさしながら自転車で登校してた。
でもその日は朝から凄い雨で、休講にしろよ。とか思いながら徒歩で最寄り駅まで行くことにした。

だけど、家を出る時自分の傘がなくて、また妹が持って行ったかな。って思って自分は父さんの傘を持って行ったんだ。


817:15/06/26 00:33:25.11ID:H9sW3QE20

雨の朝の混んだ電車の不快感とか、狭い歩道で登校中の生徒が広げる傘のうっとうしさとか、水かさが増した道路を見た時のちょっとした高揚感とか、雨の日に感じてたそいうのが、その日にも確かにあったと思う。

教室では、何人かがジャージに着替えて濡れた制服を乾かしてたりしてて、自分も家から持ってきてた予備の靴下に替えて、その日は体育館用の上履きで過ごした。

授業中、雨は強まったり弱まったりを繰り返したけど、最後まで止まなかった。
それでも夕方、早めに部活が終わって、学校から駅まで歩く頃にはかなり小雨になってた。

「傘、学校に置いてきてもよかったねー」なんて友達と話してたのをハッキリ覚えてる。

なぜなら家の最寄り駅に着いたら朝以上に土砂降りだったから。




817:15/06/26 00:33:25.11ID:H9sW3QE20

傘を置いてこなくてよかった。って思ったんだけど風が強くて、傘があっても守れるのはせいぜい胸までだった。

駅からは10分くらいで家に帰れるから濡れるのを気にしないで早歩きで帰った。おかげで家に着く頃には頭から下はびしょ濡れになってた。

たたんだ傘から滴る水の量を見て改めて、よく降ってるなー。って思ってた。

それで玄関で、このまま上がったらマズいと思って、家の中に声をかけた。
「誰かー、バスタオル持ってきてー」って。

そしたら母さんが来てくれたんだけど、濡れてる自分を見て不思議そうにしたんだ。
「どうしたの?そんなに濡れて」
「今日はずっと雨じゃん」って言っても、
「どこかで水被ったんでしょ」って。

だから、濡れた傘とか、行きに履いてた湿った靴下とかを見せて力説したんだけど、母さんの方も
「外に洗濯物を干したし、雨は降ってなかったと思う」
って譲らなくて、そのうち気味悪そうに
「もういいから、お風呂入ってきなさい」
って言われた。

母さんが本気で雨は降ってなかったって言ってるのがわかって、自分も釈然としない感じになってた。

今思うとこの時に外を確認すればよかったけど、その時は思い付かなかったし、たぶんどっちでも同じことだったと思う。

それで、第三者の話を聞きたくて「妹は?」って聞いた。妹はまだ帰ってなかった。

でも玄関で服を脱いで、もらったバスタオルで簡単に体を拭いて、傘を傘立てにさす時に今朝なかったはずの自分の傘、というか自分が持って行った傘以外の傘が乾いた状態で置いてあるのを見て、妹と話す気はなくなった。

本気で混乱した。傘を見るまでは、母さんが何か勘違いしてるんだろうと思ってた。


817:15/06/26 00:33:25.11ID:H9sW3QE20

家と学校は電車で1時間くらい離れてるし、自分が学校にいる間こっちは止んでたのかもしれない。とか話は食い違ったけど、何かしら説明できると思ってた。
でも、自分以外は誰も今日家を出る時に傘を持って行かなかったことがわかって、もしかしたら、雨は降ってなかったんじゃないか。って思ってしまった。

でも確かに朝から雨がひどかった。自分が自転車じゃなくて歩いて行くほどに。

傘立てに自分の傘はなかった。だから父さんの傘を持って行った。
乾いた傘のささった傘立てが言いようがなく不気味に見えて、自分の持って行った傘は離れた所に立て掛けた。
とりあえず、濡れた制服とかを洗濯機に入れて、風呂に入った。

体が体温まって、雨が降ってたことを示すのが自分の記憶だけになって、少し落ち着いてきてもう考えるのをやめた。
その後、夕食の時に母さんが、父さんと妹に冗談っぽくその話をしたけど、自分は詳しくは話さないで「不思議だよねー」って言うくらいで済ませた。
ちなみに父さんも妹もその日は1日曇りだったって言ってた。

翌日、学校では前の日の天気の話なんか誰もしなくてそれが普通なのか、あれだけの雨だったのに変なのかは判断出来ないし、自分からその話を振ることもしなかった。


それから、何も不思議な経験をすることもなく、10年近くたった。
あれ以来、強い雨音を聞くと少し動悸がするようになったのと、人と経験を共有してない時の話をするのが少し怖くなったけど、その以外何もなさ過ぎて気にしてない。

正直言えば、今でも考え出せば怖いし、説明が付くならして欲しいと思ってる。

でももう考えても仕方がないから、いつかそんなことあったっけ?記憶違いでしょ。って思える日がくるのを待ってる。

今日は風邪でダウンしてて、雨の音が強くて、落ち着かないから書いてみた。
あの日以来、誰にも話したことなかったけど、なんか少し楽になったかもしれない。

盛り上がりのない読み辛い駄文を失礼しました。