96 :96 ◆ocHvfbSk:02/01/31 01:08
酔った勢いでつい関係してしまった女の子がいた。
彼女は明るくて自分のタイプだったので、その後も何度か会社帰りに飲みに誘ったりして、
彼女もその気になり、ついに付き合う事になった。(同じ会社の子ではありません)
俺は馬鹿なのか、最初はフラチな関係から始まったのに、いつしかその子の事を本気で好きになっていて、
きちんと付き合えた時には、自分はこの世で最高の幸せ者だと思っていた。
毎週重ねるデート。いつも一緒にいたい。そう思っていた。
しかし付き合っていくうちに、彼女の『明るいだけではない』面が見え始めた。
会うたびに彼女は、「本当は自分に自信がない」という事を口癖のように言うようになった。
俺は「何でも相談にのるから。受け止めるから」と言ったんだが、
彼女は俺の言葉が耳に入っていないのか、ひたすら「自信がない」を繰り返す。
いつもため息ばかりになって、表情もうつろな部分ばかり見えるようになっていった。
何度か話をして原因を聞いたんだが、
どうやら、家庭内の両親との関係、友達との不和、
学生時代にあった嫌な事(話してくれなかった)から来るトラウマが原因だったらしい。
俺は彼女が悪循環にはまっているのではないかと思った。
彼女はひどく親の事を憎んでいた。
希望はないようなことも言っていたけれど、
俺とのデートも必ずやって来るので、深い所では俺を頼っていてくれてるのかと思っていた。
だから、「思い切って親元を離れてみれば」とアドバイスしたが、「家を離れられない」と言って拒絶された。
彼女は事あるごとに彼氏である俺に対して、「何か精神的な支えがほしい」とのたまった。
俺は自分こそが支えになると言い続けたが、彼女は、
「恋人とかそういうのじゃ駄目なの。
もっとキッチリしていて、ゆるぎのない世界の中で生きていきたい。
例えば機械のような」
と言った。
俺は「人間は機械じゃないよ」と言ったけど、彼女は悲しそうな笑顔を見せるだけだった。
俺はその時点で別れることもできたんだけど、
何というか、彼女に惚れ込んでしまっていたので、彼女と別れるという選択肢は、その時は考えられなかった。
2か月がたとうとした頃、彼女に変化が見られた。
ある日、デートの待ち合わせていると、向こうから銀色の服を着た銀髪の女が歩いてきた。
それが彼女だった。
【ホラー】絶望の愛続きを読む