友達と一緒に、京都から北へ車を走らせていた。
深夜にかかり、午前1時過ぎ。辺りは民家がまばらにある程度の静かな場所。赤信号で車を止めていると、前の車のトランクが少し開いているのに気がついた。
でも別に注意してやるほどの事でもないので、それ以上気にもせず信号が青に変わるのを待っていると、突然そのトランクが跳ね上がり、中からパジャマ姿の男性が転げ出てきた。
中年の痩せた男性で、口にはさるぐつわ、両手は後ろ手に縛られている。立ち上がり、ヨタヨタとこちらへと向かって歩きだし、本当に必死で泣きそうな顔をこちらへと向けていた。
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