高校の卒業式が終わって、担任教師を交えた全員参加のクラス会(謝恩会兼食事会)があった。
先生が参加していることもあり、酒類は出されなかったけど、
予定では4~8時、その後は期限なしの二次会が、先生の黙認のもとで開かれることになっていた。
俺は高校生活(もう10年近く前になる)を、端から見ればそれなりに謳歌してるように見えたと思う。
クラスでは、というか学年全体でも人間関係をソツなくこなし、愛想良く振舞っていたからだ。
しかしそれは上辺だけの付き合いにすぎず、親友と呼べる友達は一人としていなかった。
中学時代は誰とでも気兼ねなく付き合えていたのに、
高校に進学してからというもの、どう人と接していいか分からなくなっていた。
嫌われるんじゃないか、誤解されるんじゃないか、そんな漠然とした不安から、
本音でぶつかるのが怖くなっていたのだ。(そういう経験あるよね?それのちょっと深刻版かな)
今となってみれば笑ってしまうような悩みだけど、あの頃は本当に切実で、胸が張り裂けるような思いをしていた。
そんな悩みは最後まで解消されることはなく、
泣いたり笑ったりして思い出話しに花を咲かせる同級生たちの姿を見るにつけ、
俺はいたたまれなくなり、クラス会を途中で抜け出した。
5時頃だったと思う。案の定誰も、何も言わずに消えた俺を追って来てくれる奴はいなかった。
俺が消えたことに気付かなかった人のほうが多かったんじゃないかと思う。
【オカルト】卒業式の後続きを読む