大学の頃、地元の友達の家でバイトしてた。仕出しもしてる割烹。
俺の仕事はお客さん帰ったあとの片付け、皿洗い、そして配達。
配達っていうのが、近所の寺や葬儀会場に弁当や料理を持ってくのが主。
お通夜の時の葬儀会場への夜食の注文もよくあった。
で、何故かそれの注文の数がよく間違える。しかも必ずひとつ多い。
葬儀場の裏口で遺族の人に、「ひとつ多いよ」と言われることが結構あった。
注文を受けるのは女将である友達の母ちゃんか中居さんで、俺のせいじゃない。
「今日もひとつ多かったですよ」とか女将さんや親父さんに報告すると、
「今までいた家族の分まで頼んじまうんだろ、精進落としだ食っちまえ」とか言われて、
だいたい夜食の注文は親子丼かうな丼だから有難く頂くわけ。
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