祖父が子供の頃の話し。
祖父は子供の頃、T県の山深い村落で暮らしていた。
村の住人のほとんどが林業を営んでおり、山は彼らの親と同じであった。
そんな村にも地主が存在しており、村の外れにある大きな屋敷に住んでいた。
地主は林業を営むわけでもなく、毎日をのんびりと暮らしていた。
まさしく牧歌的な暮らしの村であるが、村特有のルールも存在していた。
そのルールというのが、
「毎月3日は、髪取り師以外は地主の家に近づいてはならない」
「屋敷に来る客人に、声をかけてはならない」
というものだった。
毎月3日の朝に、村外から数名の人間が訪れては、夕方には帰っていく。
物心付く前からそのルールを教え込まれていた祖父は、何の疑問ももたずにルールを守り続けていた。
【オカルト】髪寄りの法続きを読む